センター刊行物
書籍
バルカン史と歴史教育 「地域史」とアイデンティティの再構築
柴宜弘 編
明石書店(2008年)
本書は2003、2005年に東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)、科学研究費補助金、国際交流基金の援助を得て開催されたシンポジウム 「『バルカン』-ヨーロッパを考える一つの視座」、「地域史の可能性を求めて-バルカンと東アジアの歴史教科書から」の記録をもとに構成したものである。
第1部 2003年国際シンポジウム「バルカン-ヨーロッパを考える一つの視座」
第1章 近代化プロセスにおけるバルカンの家族、文化、アイデンティティ
カール・カーザー
第2章 バルカンにおける分析カテゴリーとしての記憶、アイデンティティ、歴史遺産
マリア・トドロヴァ
第3章 バルカンの歴史は「暴力の歴史」か?
ヴォルフガング・ヘプケン
第4章 20世紀にスロヴェニア人がいだいたバルカンの西部境界とバルカン諸国認識-バルカンの歴史的メタ地理学の提案-
ペテル・ヴォドピヴェツ
第5章 バルカンに歴史はあるか
マーク・マゾワー
第6章 イギリスとバルカン-20世紀の歴史から-
木畑 洋一
第2部 2005年国際シンポジウム「地域史の可能性を求めて-バルカンと東アジアの歴史教科書から」
第7章 分断された地域の共通の過去-バルカンの歴史を教えること-
クリスティナ・クルリ
第8章 教科書の中の地域史-クロアチアの事例-
スニェジャナ・コレン
第9章 セルビアの教科書における地域史-隣人たちの沈黙-
プレドラグ・マルコヴィチ
第10章 教科書の中の地域史-アルバニアの事例-
ヴァレンティナ・ドゥカ
第11章 ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける歴史教育
ソーニャ・ドゥイモヴィチ
第12章 歴史と究極の真実の再発見-モルドヴァにおける歴史、教科書、アイデンティティと政治-
シュテファン・イーリヒ
第13章 1990年以降のスロヴェニアの歴史教科書
ペテル・ヴォドピヴェツ
第14章 ギリシア歴史教科書における地域史
アウグスタ・ディモウ
第15章 バルカン諸国の歴史教科書における近代マケドニア叙述の比較
木村 真
第3部 バルカン現代史の諸相-2005年のワークショップから
第16章 ヨーロッパ的文脈における1896年アテネでの最初の近代オリンピック大会
クリスティナ・クルリ
第17章 中欧とバルカンにおける政治の伝統-第一のユーゴスラヴィアの経験の見地より-
ペテル・ヴォドピヴェツ
第18章 ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア系市民 1918~1941年
ソーニャ・ドゥイモヴィチ
第19章 ナショナリズムの達成 vs ナショナリズムの維持-モルドヴァの事例とナショナリズム理論
シュテファン・イーリヒ
付録
バルカン各国の歴史教育の現状